相続で揉める前に手を打ったお話

私の母方の実家は、先祖伝来の田畑や土地をいくつか持つ田舎の家柄。母は嫁に出ており、兄(私の叔父)がおりましたが跡を継がすに家を出てしまい、疎遠となったまま亡くなってしまっていました。
後継者の居なくなった母の実家は、孫の私が大人になると同時に養子にと申し出があり、将来私の結婚後に祖父と養子縁組の形を取るという約束でおりました。
それから無事私も結婚することができ、しばらくして養子縁組を行いました。
亡くなった叔父には子供がおりました。私にとって従姉妹ですが、叔父の葬儀の後以来、ほぼ連絡を取っていませんでした。
しかし、最近になって祖父へたまに連絡が来るようになりました。
どうやら、祖父の健康状態を定期的に確認しているようでした。従姉妹には祖父からの相続権があります。
ただ、祖父の意向としては私が後継のために全てを私に託したいと考えていると話され、調べてみたところ公証役場で遺言状作成が出来るとのことでした。
公証役場へ相談したところ、公証人の予約が必要とのこと。
予約し向かうと、とても良心的に話を聞いてくれた後、遺言状の作成手続きを行う段取りがつきました。
遺言状作成は2週間くらいの期間がかかり、遺言状にサインする当日に必要な立会人の手配もしてくださり、滞りなく作成を済ますことが出来ました。
祖父も、元気なうちに相続の件を自分の意思で決めることが出来て安心したと言っていました。
ちなみに、祖父の葬儀から一年以内に従姉妹から相続の遺留分の申し立てがない限り、その権利は無くなるとのことでした。
また、相続するものを選ぶことは出来ない(田畑は要らないけど現金が欲しいなど)らしいので、恐らく申し立ては無いでしょう。
田舎の田畑なんて、持っていても困る事の方が多いですからね。
今回のケースは祖父から私だけへのシンプルな相続でしたので自分で対応出来ましたが、世の中では相続権利を持つ人数が多いケースの方が多いと聞きました。
その場合はきちんとして手続きの元に進めないと時間も労力もかかり、本当に大変だそうです。
一番相続で大切なのは、故人の意思が反映される事ですから、生前の健康なうちに遺された人達の事を考えて遺言状を作るのは縁起が悪いのではなく、ひとつの優しさでもあると思います。
私は、遺すものがある方は遺言状の作成を心からお勧めしたいと思います
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