2017-03-26

相続放棄をためらっている方のために

私の母が亡くなった際、消費者金融からの借金があることが判明しました。母はお金の苦労話を子供に話す人ではなかったので誰一人そのことを知らなかったのです。

生活保護を受けていた母は毎月ギリギリの暮らしで価値のあるものを残してはおらず、兄弟も親も他界していたために相続権は私にしかありませんでした。

母のことですからもしまだどこかで借金を抱えていてそれが後から判明する恐れもあり、今後のトラブルを防ぐためにも相続放棄をしようと決めました。決めた時、少なからず罪悪感がありました。

親の借金から逃げるために相続を放棄するというのは亡くなった母に対して非情にも思えたからです。

それでも自分の家族を守るために相続放棄をする方が良いと考えました。

相続放棄申述書をもらいに家庭裁判所へ行った際、手続きをしてくださった役所の方に詳しくないので教えて欲しいということを尋ねました。

その受け答えが心細そうに見えたのか、役所の方に「簡単な手続きですよ」「こうしてこうすれば済むことです」との言葉の後に、「珍しいことではないんですよ」と言って頂いたのが心に突き刺さりました。

わたしの罪悪感をぬぐってくれようとしていたとは限りませんが、そんな優しさを感じて救われた気持ちになれたのです。感謝の思いを素直に述べた時、役所の方はやっぱりそうだったかという顔をされました。

手続きは思っていた以上に簡単なもので、その後もトラブルなく平穏に暮らせています。

相続放棄をためらっている方の参考になればと思います。

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