2016-08-10

相続放棄も楽じゃない?!

数年前、叔母が亡くなりました。

晩年は病気がちで、入院費や治療費がかさんでいたため、財産というほどのものもなく、相続でもめるという事もありませんでした。

しかし、しばらくして新たな問題が持ち上がりました。叔母が甥っ子の奨学金の保証人になっていたのです。甥っ子の奨学金の債務は延滞金なども含めると500万近くあるということでした。

家庭裁判所に相談に行ったところ、家族構成などから、叔母の子ども、叔母の兄弟姉妹、すでに叔母の兄弟姉妹が亡くなっている場合、その子どもまでが、債務の相続対象になるという事でした。

私たちは、その後、無料の法律相談に行き、相続放棄をすることに決めました。法律相談の相談員よると、相続放棄は、専門家に頼らずとも自力でできる、という事でした。

しかし、実際やってみると大変でした。相続放棄の申述書は、記入例などを参考にしながら書けるのですが、大変なのは戸籍謄本の収集です。

私の親族のように人数が多く、引っ越しや離婚などで転籍が多い場合は、戸籍謄本を取り寄せるだけでも、相当な手間と金額がかかりました。

しかも、相続放棄は、相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に申述しなければなりません。相続の放棄は、時間との戦いでもあるのです。

申述後、10日くらいして家庭裁判所から回答書が送られて来ますが、この記入についても相当、神経を使いました。

結局、全ての親族が相続放棄を終え、相続放棄申述受理証明書を手にした頃には、精も根も尽き果てていました。私たちの場合、親類縁者に法律に詳しい人がいて何とかなりました。

しかし、親族の数が多く、法律に明るい人も身近にいない場合は、手に負えないケースも出てくると思います。専門家に依頼する費用を惜しんだ末に、尋常ではない金額の債務を相続してしまっては元も子もありません。

自分たちでは手に負えない、そう思った場合は、法律の専門家に依頼するのも一つの手段だと思います。

以上、私が経験した相続放棄について書かせていただきました。
少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

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