2017-01-15

遺言書さえ早く見つかっていたら!

「やっと苦しみから解放される!」一昨年の7月の事でした。ようやく約2年間に及んだ相続問題に決着がついた瞬間の安堵の気持ちから思わず出た私のつぶやきです。

事の始まりは、平成25年7月に突然、裁判所から「遺産分割調停の案内」が届いた時からでした。

それまで我々親族は父の葬儀以来、半年に渡って遺産分割の手順を巡って意見を交わしてきたのですが、父の準確定申告をするかしないかで揉めていたのです。

電話で姉から弁護士が入ると聞かされていたので、法の通り手順を進められると安心していた私ですが、遺産分割協議も経ずにいきなり裁判所の調停に持ち込むとは驚きでした。

しかも、調停初日に調停委員から遺言書の有無について聞かれた父の同居者であった姉は、「ありません」と答えているのです。それが解決まで長期間を要した大きな原因でした。

遺産目録の完成まで約1年、実質の協議は分割不可能な不動産の帰属についてでした。

評価を巡っては路線価を採用するか固定資産評価額を使うかで揉め、ついに調停は不調に終わります。

そして、家庭裁判所での審判が始まる半月前に姉から父の遺言書が見つかった旨の連絡があり審判は回避されました。

結果的には、私が主張していた通り、準確定申告を税務署に提出し不動産を売却し民法の規定通りの分割結果になったのですが、遺言書が早い段階で提示されていれば、親族がいがみ合うこともなく穏便にことが進めたのではないかと思うばかりです。

事務所から:せっかく遺言書を書いても紛失したり破棄されたら意味がありません。とりあえずの応急手当として自筆証書の遺言書を書いておくことは結構だと思いますが、是非、公正証書の遺言書にしておきましょう。

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