2016-10-10

遺産額に関係なく、最低限遺言書は必要!

相続とは、決して財産が多い方たちだけの問題ではないのだな、と祖父の死去に伴いそう感じました。

私の母方の祖父が亡くなり、相続人は長男と長女(私の母)でした。祖父は晩年、老人ホームに入居しており、身の回りの世話や施設の手続きなどは、母と私で行い、伯父たちは年に1度訪問する程度でした。

祖父は、伯父の住んでいる家と土地、祖父自身が住んでいた家と土地、駐車場と預貯金を遺してくれていました。

とはいえ、田舎のことですので、それほど高額な財産ではありません。しかし、生前から伯父を「欲深な子だ」と言って不満を漏らし、心配もしていました。

そんな祖父が亡くなり、葬儀が終わったときに、ご近所の方から「遺言状を仏壇の裏に置いてあると伝えて欲しいと頼まれていた」と告げられました。

伯父、母、私の3人で確認すると確かに封印された遺言状が出てきましたが、その時の、伯父の顔色は忘れられません。

その後、家庭裁判所にて手続きをとって開封しますと、「二人で等分に分けるように」との内容が記されていました。

民法上、遺言状に記さなくても規定されている方法なのですが、祖父としては伯父の性格を知っているだけに、後押ししておかないといけないと考え、また、伯父に遺言状を渡すと処分され、母に渡すと言いがかりをつけられると懸念したため、信頼できるご近所の方に伝言を頼んだのでしょう。祖父の心配はもっともなことでした。

話し合いの結果、伯父は実際には半分以上を相続したにも関わらず、終始不機嫌で手続きをとってくださった行政書士の方にも八つ当たりと思われる発言をし、祖父の死亡に伴う手続きも葬儀以外は一切行わず、「妹とはもう思わない」と縁を切る発言をされました。

まさしく、親が死ぬと兄妹でも他人以下になるという実例でした。遺言状があり、かつ自分のほうが多く相続したにもかかわらず、この態度です。遺言状がなければどうなっていたのかを考えると、ぞっとします。

本当に遺言状を遺してくれた祖父には感謝しています。

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