遺言書は「遺書」ではありません

母方の祖父がガンで亡くなった際、遺言書はなく遺産(祖父母の持ち家と少しのお金)は祖父の妻である祖母が半分、母の姉が4分の一、母が4分の一を相続しました。
母の姉の一家は親戚づきあいがなく、子供の結婚や出産のイベント事の時にのみ祖父母へお金を要求しに来るような人で、姉というだけで、妹より多く遺産をもらいたいと言い出す始末でした。
祖父の葬儀を豪華にして、たくさんの人を呼び香典の管理は自分にまかせてほしいと言い、準備も当日手伝わず、香典も出さず、飲食だけして母の姉一家は帰っていきました。
香典は葬儀の費用でほとんどなくなったのですが、あれだけ人が来たのだから残りがあるはずだからとお金を要求してきたり、祖父の遺産についてしばらく揉めていたのですが、母が説得して手続きなどを行い、祖父の件についてはひと段落ついたころ祖母が、認知症と診断されました。
母は母の姉がまた祖父の時と同じように言うに違いないと思い、祖母へ「また遺産の相続でもめるのは嫌だから、認知症が進行し判断がつかなくなる前に亡くなった後、どうしてほしいか遺言書を書いてほしい」と頼みました。
最初は「早く死ねと言っているのか!」と怒ったり、泣いたりして遺言書を書く事を渋っていた祖母でしたが、風邪をこじらせ入院する事になり、身の回りの世話や家の整理を母が行い、その姿に心を決めたのか、遺言書を書くと言ってくれました。
無事作成した後すぐ祖母は亡くなったのですが、案の定、母の姉は葬儀を派手にして今度こそ香典をもらいたい事と、祖父母の持ち家の権利とお金、保険金を多く要求してきました。
保険金の受取人は母になっていましたし、祖母の遺言書には葬儀では香典を辞退すること、遺産のすべては母へ譲ることが書いてありました。
母の姉は最初のうちは姉である自分が受け取れないのはおかしい、絶対に遺産は渡さない、香典はもらう、裁判を起こす、と息巻いていたのですが、遺言書があることで、無理だと思ってくれたのか連絡は来なくなりました。
故人とは会えなくなりますが、遺言書は遺された家族にどうしてほしいのか故人の気持ちを明確に知ることができ、それに従いスムーズに手続きを終えることができるのでとても良いものだと思いました。
事務所からひと言コメント:認知症の診断がされてからの遺言書作成は、かえって揉める原因になりかねないので、これから遺言書を作成しようと思われる方は、まだまだと言わず、心身共に健康なうちにされることをお勧めします。
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