2016-09-11

〝その日”は突然に・・・

卒業を控えた大学4年生の時、父親が心不全で突然亡くなりました。本人も家族もまさかのことで、残された家族は本当に大変な思いをしました。

葬儀を行う際も、遠い郷里の親戚しかお寺とつながりのある人がおらずに大混乱、実際のお葬式も家族だけでは仕切りが出来ず、父の職場の人が色々と段取りをつけてくれました。

相続自体は私を含む子どもたちは全て放棄し、専業主婦だった母が持ち家と預貯金のすべてを相続しましたが、その手続きがまた大変。

子ども一人一人に実印を作って相続放棄の書類を作り、家庭裁判所に行って申請をしましたが、実印登録を慌てて行ったため、長男の実印は母の銀行印、長女の銀行印は母の実印といった具合で、家庭内でハンコの所有が乱れ飛び、相続がひと段落した後でも、銀行に用事があってハンコを使うのに、あれ誰が保管してるの?といった混乱がおきました。

また父が残した財産が持ち家と少しの預貯金、あと生命保険だったので揉めることはありませんでしたが、相続の手続きを行っている間には分からないことが多すぎて「お父さん、幽霊でいいから出てきて持ってる口座のこと教えて!」と半ば本気で願うこともありました。(今では笑い話ですが・・・)

そんなこんなで大変な遺産相続ではありましたが、手続きや申請などは父の友人や近所の人、父の職場の人など、どの人も「お父さんにはお世話になったから」と本当に親身になって相談にのってくれ、その際に父を亡くして元気を失った母の話し相手にもなってくれました。

今にして思えば、そういった人とのつながりが父が残してくれた財産の一つだったのかなと思います。

最近はテレビなどで終活、エンディングノートの作成が話題になりますが、自分だけでなく残された家族のことを思うなら、病気や怪我を負ってからではなく元気で確かな判断力があるときにこそ、それを残しておくことはとても大切だと思います。

以上、自分の体験談がどなたかのお役に立てば幸いです。

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