生前贈与も選択肢の一つ

遺言書ではないけど、亡くなった母方の祖父の行動が素晴らしかった。
もう20年以上前に亡くなった祖父の話です。その時代の人にしては大変体が丈夫でボケも来ていない祖父でした。
遊びに行くたびに何やら書き留めているノート。このノートには、「あれが満期、これが満期。今これ位で、今後こうなる。」という内容のことがびっしりと書きとめられていました。
その当時は、単なる覚書だと思っていましたがこれが後に残しておいてもらって助かったにつながりました。
祖父の考えはこうでした。ずばり、生前分与*。死ぬ前から死後のことを考える。
当時の考え方としては、また当時の人間としてはかなり進んだ考え方だったと思います。
母は3人姉妹。祖父は娘のために、均等に、自分の死後もめないように財産を分与*したのです。
実際には、3人それぞれに口座を作らせ、娘の名前で名義を作り財産を分与*。
管理は自分が死ぬまで、印鑑と通帳をそれぞればらばらに持たせる。徹底してました。祖父が意地汚いのではなく、今後を考えた結果です。
実際困るのは、銀行口座が凍結されてしまうと下ろせなくなってしまうこと。手持ちがないと、葬儀すらあげられなくなってしまうのです。
なるほどな、と思いました。今では当たり前なのかもしれませんが、動産、不動産含めてやっておいて正解だと思うし、後に残される者が助かります。
このように祖父は行動しましたが、祖父の妹のときは違いました。
離婚して独り身、子供は二人。しかし、夫のほうが親権を持っていたため行方がわからず。
そこそこ財産がある人だったので、口約束で「あげる」なんて三姉妹は言われていたそうです。
そんな時に突然脳溢血で倒れました。すでに生命維持装置が取り付けられ会話もできない。
銀行に相談するも時既におそし。本人でないため下ろせず、葬儀の費用も立て替えることになったそうです。
当然財産も行方がわかった子供の手に渡り、何も残らず、住んでいた部屋の後始末だけをやったと聞きました。
やっぱり、生前分与は大事で、何かしら一筆書いておくことも重要なんだと思い知らされた体験です。
事務所から:*原文で‟生前分与”とあるところは‟生前贈与”と思われますが、原文を尊重しました。
関連記事はありません