2018-04-19

3年前に父が亡くなった時の話なのですが・・・

3年前に父が亡くなった時の話なのですが・・・。
父は食道がんに侵され、1年間の闘病生活の末にこの世を去りました。

最後の手術の前に覚悟を決めていたのか、自分の死後に私たちが色々な手続きに困らないよう、全てパソコンで書き記して印刷しておいてくれました。

その内容なのですが、
1.自分には借金は1円もないので、死後借金取りが来ても追い払うように、と。
2.自分が所有している株券の場所と金額、売る際の連絡先と担当者
3.遺族年金の受け取り方法と連絡先
4.不動産の名義変更方法、問い合わせ先
5.私たち兄弟には、遺産の相続を放棄するようにと(母にお金を残したかったみたいです)
6.火災保険の名義変更と連絡先
7.自家用車の処分について(私が相続して乗る場合と乗らない場合の対処法)
8.自分の死後、連絡してほしい人

全て事細かく記載されていて、父の作成したマニュアル通りに行ったら、スムーズに手続きが出来ました。

2.の株券は、「どこにいくらあって、売るにはこの時期が良い」と父のアドバイス交じりに書かれていましたが、私たちは全く株の知識がないので、すぐに売り払ってしまったので、天国で父はガッカリしたことと思います。

4.は母が行いましたが、書類の不備があったりで法務局に4度も足を運んで大変だったようです。

5.にある通り私と兄は、父の意思を尊重し相続を放棄、母に全て相続してもらいました。

7.父は、生前からよく私に「俺の車乗らないか?」と言っていました。私はその時は車を必要としていない生活だった為、返事はしていませんでしたが、通夜の席で父の友人から「俺の車〇〇(私の名前)が乗ってくれたらいいのにな、と言ってたよ」と言われ、自分の車をすぐに処分されるのは寂しかったのだと思い、現在は私が乗っています。父の残したこの書類を参考に手続きを行いましたが、相続が絡む名義変更は結構大変でした。
母、私、兄はそれぞれ遠方に住んでいましたが、相続人全員の印鑑証明と同意書が必要だったり、書類の不備があったりで、結局陸運局に3度も足を運びました。

8.の連絡して欲しい人の中には、父が生前仕事でお世話になった人がおり、その中の一人が会社の手続きなどを全て済ませてくれました。私とはそれまで面識はなかったのですが、本当にお世話になりました。

父が最後の手術の前に、どんな思いでこの書類を作成したのか想像すると涙が止まりませんが、これを作成した後も私たちには知らせずに、気丈に振舞っていました。
この書類は、父がいつも座っていた椅子の横にある戸棚から見つけ、これを参考に1週間かけて色々な手続きを残された家族3人(母、兄、私)で行いました。

この書類のおかげで父の全財産を把握でき、それぞれの手続きの方法もわざわざ私たちがネットで検索することもなく終われたので、とても助かりました。

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