2016-09-12

遺言書はなかったけれど

田舎で一人暮らしの父の訃報を聞いたのが、正月7日、足が不自由なため専用車両でしか移動手段がない私は、急いで冬用タイヤに取り替えてもらって故郷に急ぎました。

母親が早くに旅立ち父は約20年間一人暮らしをしていましたが、元気だったとはいえ老齢の身、同じ市内に嫁いだ妹が時々父の面倒を見てくれていました。

私は元々跡継ぎで若い頃、母がまだ存命の頃10年ほど両親と同居していたのですが、嫁姑のちょっとした行き違いで家を出て関西で生活していました。

とは言え私は跡継ぎの身、喪主を務めなければなりません。家を出ている後ろめたさを我慢して何とか49日の法要、納骨を終え一段落したのですが、問題は遺言書がなかったので遺産をどう相続するかということでした。

家が農家で財産としては金融資産はほとんど無いのは分かっていましたが、田畑、山林、それに家屋敷。田舎のことですから相当な面積があり、評価額も相当な金額になります。

相続人は私と養子に行った兄、それに他家に嫁いだ妹の3人、本来は3分割というところですが、そのためには全て処分しなければなりません。

今時田畑、山林等購入する人間がいるとは思えず、家屋敷も不便な所なのでそう簡単に買い手が現れるとは思えません。

そうなると当分管理する必要がある訳で、他県に養子に行った兄と遠くはなれた所で生活している私には出来ることではないので、ここは同じ市内で生活している妹に託すことにしました。

その変わり兄と私の相続分は全て放棄して妹名義に変更するということで、兄も私も妹も了解しました。

巷では遺産をめぐって兄弟が仲たがいしたということを良く耳にし、私達だけはそうはすまいと3人で言っていたので、そう出来て本当に良かったと思っています。

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